スギの家の特長を解説!建材のメリットや使用に最適な箇所を紹介
さて、そんな熊とも身近な(?)石川の山の木を取り扱っているシモアラでは、製材(木を原木からカット)・プレカット(部材として加工)・建築(一般住宅やリフォーム)を一貫して行っております。
創業から70年以上、木に携わってきた木の専門家として今回は、住宅の『木の適材適所』についてお話したいと思います。
記念すべき第一回目は、『スギ』についてです。スギといえば、針葉樹に属します。まずは、針葉樹の特徴を見てみましょう。
針葉樹「スギ・ヒノキ(檜)・能登ヒバ(アテ)など」
●木目が通っており、割りやすく加工しやすいので「軟木」といわれています。
●肌触りが良く、長く香りが残ります。
●向き:柱や梁(広葉樹よりもまっすぐ伸びるため)
では、続いて今回の主題であるスギについて詳しく見ていきましょう。
-スギ-
●ヒノキ科スギ属
●スギの語源は「真っ直ぐ伸びる」(諸説あり)
●中心は赤褐色やピンク系、年輪を重ねた外側は白系と、色の違いがはっきりしている。
●日本特産の代表的な固有種で、1960年代から本州北部から屋久島にかけて分布(日本の国土の約12%にスギが植えられていることになります)
『スギ』その名を聞くと鼻の奥がムズムズしてくる方も読者の皆様の中にはいるかもしれませんね。かくいう私も毎年スギ花粉に悩まされている一人です。
ただ一つ言っておきたい事があります。
スギはその本体にものすごい利便性、活用方法があるという事です。もちろん花粉と違い、アレルギーは起こしませんよ。
『スギ』は日本では、太古から建築資材として使われてきました。
非常に大きく成長し、美しい木の肌を表現する為です。
また、木には『柾目(まさめ)』という丸太の中心を切断した時の真っ直ぐ平行な木目と、『板目(いため)』という丸太の中心以外を切断した時の湾曲した木目の2種類があります。
柾目は加工しやすい材です。反りやめくれが起きづらく「枠材」として窓や出入り口などに利用されます。
板目は木目を活かし、床やテーブル、カウンターなどの「板」として利用されます。
『スギ』は軽量で気密性が低く、しっかり乾燥させてから加工すれば、湿度や気温による狂いが比較的少ない材料です。
また、こちらの丸太でわかるように、木材の部位には『赤身(あかみ)』と『白太(しろた)があります。
●『赤身』は中心部で心材(しんざい)と呼ばれ、腐りにくく防虫成分に優れています。香りも鮮烈です。
●『白太』はその周りで辺材(へんざい)と呼ばれ、見た目が美しいのと空間を明るく見せてくれます。一本の丸太から4枚程度しかとれない為、希少です。
こちらのお住まいは天井羽目板に白太が使用されています。
このように、『スギ』には活用性がたくさんがあります。
シモアラでは企業理念にもあるように「木の文化を継承し、木のめぐみを活かし、地域に貢献したい」
この想いから県産材の『スギ』を構造材として積極的に使用しております。
南加賀地区は『スギ』の優良生産地としても知られ『加賀スギ』と呼ばれる地域材を建材として使用しています。
また「木の文化を次世代に継承」する為、木造軸組構法(もくぞうじくぐみこうほう)という木の柱や桁で建物を支える工法を採用し、古来からの日本の温暖多湿な風土にあった家づくりにもこだわっています。
なんと、先ほどの『加賀スギ』等の県産材を利用した物件には、石川県から最大50万円も助成金が出るんですよ!
詳しい申請方法についてはこちらをご覧ください。
その事を踏まえた上で、シモアラがオススメする住宅に『スギ』を活用する『適所』はこちらです。
構造材、羽柄材(棟木、垂木、母屋等)
構造材や羽柄材としての性能を兼ね備えており、粘り強いです。
床 材
無垢床は、木の温もりを感じながらもサラサラと素足が気持ちいいです。柔らかいので立っていても疲れづらいです。
和室周り(鴨居、敷居、床の間等)
見た目の美しさから和室に穏やかな設えをもたらしてくれます。
羽目板材(壁、床、天井等)
自然な風合いで目にも優しく、安らげます。木が呼吸する為、調湿機能に優れています。
スギについて、もっと詳しく知りたい!という方はこちらまでお問合せください。
次回の適材適所シリーズは『ヒノキ』を予定しております。
シモアラの県産材の活用と助成制度
朝方など肌寒い時もありますので体調には十分気をつけてくださいね。
さて、今回は県産材の助成金ってどんなもの?をテーマにシモアラの木のこだわりと県産材の活用などについてお届けしていきたいと思います!
|はじめに
シモアラでは企業理念として木のめぐみを最大限に活かし、地域の方々の健やかな暮らしに貢献することを掲げています。
特にシモアラでは石川県産材の利用をおすすめしています。
実は県産材を用いた木の家は環境を守ります!
ではなぜ木の家は環境を守ることにつながるのでしょう?
|県産材利用の意義とは
住宅などに木材を使用することで、【植える】→【育てる】→【利用】→【植える】といったサイクルが循環します。
木々は放置されると木が密集しすぎてしまうことで地面に光が届かなくなります。
その影響で下草が成長できず土がむき出しとなり、土地の保水力が乏しくなることで大雨などで災害被害(洪水や土砂災害)が起きやすくなります。
地元の山を荒れさせないためにも県産材は使用し、木を育林していくことが必要です!
そこで石川県では県産材を利用した物件に助成金を出しています。
いしかわの森でつくる住宅推進事業
県産材 使用量 |
7~20㎥ 未満 |
20㎥ 以上 |
25㎥以上かつ 県産材使用率 90%以上 |
助成金 | 10万円 | 30万円 | 5万円 |
最大で50万円の助成金がもらえるかもしれないってすごいですね。
ただ、申請できる住宅等にはいくつか条件があります。
さらに詳しく知りたい方はこちら↓
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/shinrin/mokuzai/morisumai.html
|じゃあ、条件に合えば助成金は自動的にもらえるの?
実は条件に適合していても、申請をしなければ助成金はもらえません。シモアラでは県産材住宅ビルダーに登録しているため完成後に申請をすることが可能です。
シモアラの補助実績件数
■2019年 : 21件
■2020年4月~9月末時点 : 13件
|シモアラは第20回こまつまちなみ景観賞を受賞!
「こまつまちなみ景観賞」は、本市の魅力あるまちなみの創出に貢献しているまちなみ景観を選び、顕彰するものです。
シモアラは、全体で66件の応募のうち5点の入賞作品のうちのひとつに選ばれました!
|おわりに
シモアラでは、日本で古くから受け継がれてきた木の文化を大切にしています。
木材の育成から製材(丸太の在庫量は常時約3,100本、1日平均約200本を加工中)、加工、建築・建設まで自社で対応できる一貫生産システムを備えており、木を熟知した職人集団が確かな技術で木を取り入れた心地よさと安らぎを感じる住まいをお客様に1棟1棟ご提案させていただいております。
私たちシモアラと一緒にじっくりお住まいを選んでみませんか?
お問い合わせはこちらより↓
https://shimoara.co.jp/contact/
山代の家・建築から完成までの様子をご紹介します
さて、いよいよ常設展示場山代の家が展示終了することとなりました。
2019年3月に開館し、これまで1年半にわたり皆さまへ「シモアラの木の家」をご見学いただく場として営業してきました。
そこで今回は、山代の家ができるまでの工事の様子を写真で振り返ってみたいと思います。
既にご見学された方もいらっしゃるとは思いますが、お付き合いいただければありがたいです。
|2018年10月建方
当日はくもり。ときおり青空がのぞく天気でした。
大工さんたちがたたく掛矢(かけや/写真に写っている大きな木製ハンマーのこと)の音が響きます。
こちらは14時すぎの様子です。
屋根の形が現れてきました。
別の角度から見た様子です。
大屋根の垂木(たるき/格子状に見える木のことです)がかけられ、これから屋根の板を張るところです。
1階内部の様子です。
ガランとして広々としていますね。
中央にかかっているのは、仮設の階段です。
数年前まではハシゴをかけていたのですが、安全面から手すり付きの階段を取り入れています。
道具を持っての上り下りもスムーズで安心です。
|2019年1月末
雪がふりました。
工事はどのくらい進んでいるでしょうか。
こちらは玄関の天井。
シモアラの主力・石川県産のスギ板が張られています。
節のないスギ白太(しろた/スギ材のうち白色の材)の羽目板(はめいた)。美しいです。
内部の様子です。
壁には断熱材が入り、天井や壁の下地材の工事が進められていました。このあと床や壁ボードを貼っていきます。
|2019年3月上旬
大工さんの工事が終わり、仕上げ工事が始まったとのことで、きてみました。
足場もなくなり、外構工事が行われていますね。
リビングにきました。
壁のクロス貼りが終わり、すっきりしてきました。
右手に見える木製家具はテレビボードで、造作しました。
こちらは2階、子供部屋です。
将来2つの部屋に分けられるよう、入口や照明、窓などが対になっています。
庭へ出ました。
この大きなヒノキのウッドデッキは、玄関からキッチンまでつながっており、約16mの長さがあります。
軒の出も約1.8mで、空高くそそぐ夏の日差しはさえぎり、浅い角度で差し込む冬の日差しはリビングに入るよう工夫されています。
|2019年3月下旬・完成
さて、いよいよ完成です。
木製格子が落ち着いた雰囲気を演出していますね。
玄関天井だけでなく、2階屋根の裏もスギ板張りとなっており、どの角度から見ても「木の家」と分かるデザインです。
LDKです。
右手奥がキッチン、左手の畳コーナーからウッドデッキへ出られるようになっています。
リビングは吹き抜けとなっており、1階・2階どちらにいてもコミュニケーションを取ることができます。
山代の家は通気断熱WB工法を取り入れています。
壁の内側に2層の通気層があり、外気温によって通気量を調節しながら常に室内の空気を入れ替える仕組みです。
採用しているクロスも透湿性があり、室内の湿気を壁の通気層へ通し、外へ排出する役割があります。
吹き抜けを採用することで室内の空気循環もよくなり、WB工法の効果を高めるそうです。
>通気断熱WB工法についてはこちらもご覧ください
ユーティリティです。
写真奥がキッチンで、玄関からキッチンまでがユーティリティでつながっています。
1階お手洗いです。
カウンターはスギ板で造作しました。
こちらは2階ホールです。
2階は居室のほか、廊下スペースにカウンターと収納を設けました。
2階子供部屋です。
ヒノキの床とスギの戸が入り、木のやさしい雰囲気の部屋となりました。
|ご見学は2020年9月6日まで
簡単に振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか?
冒頭でもお伝えいたしましたが、山代の家は2020年9月6日(日)までの営業となります。
新型コロナウイルスの感染対策として、完全予約制で見学会を行います。
はじめての方はもちろん、もうご覧いただいた方も最後にもう一度ご見学いただければと思います。
それではなた次回まで。
完成物件のご紹介[加賀市山中温泉上原町]
さて、中止となっております完成見学会の会場の様子を写真でご紹介するブログシリーズですが、今回が最終の4回目となります。
●1回目「小松市矢田町」のブログはこちら
●2回目「加賀市山代温泉北部」のブログはこちら
●3回目「加賀市箱宮町」のブログはこちら
今回ご紹介するのはこちら。山中温泉にて建築中の平家のお住まいです。
外観です。
シンプルですが、とてもインパクトがあります。
玄関です。
正面がLDKで、写真に写っていませんが、向かって右手に進むとユーティリティへ接続します。
また、このお住まいで「廊下」はこの部分のみとなっています。
どういうことでしょう?(後ほどご説明します)
内玄関はありませんが、土間部分が横方向に広く、家族みんなで並んで出入りできそうです。
LDKです。
スッと奥行きのあるシンプルな配置となっています。
キッチンの右手に見えている開口はユーティリティです。
キッチン上部に吊り収納がないため、リビングが見渡せますし、開放的です。
キッチン脇の壁面に収納を設けています。
リビングの南側はデッキスペースとなっています。
軒裏の羽目板がきれいです。
リビングからは居室へダイレクトにつながっています。
そうすることで廊下をなくし、廊下に当てられていたスペースを居室や収納など別のスペースへ利用することができます。
こちらは畳敷きの寝室です。
LDKと雰囲気を変えることで、気持ちの切替えができそうでね。
こちらはユーティリティです。
シンプルな配置ですが、LDKと玄関の両方からアクセスできるので便利な間取りではないかと思います。
いかがでしたでしょうか?
床面積の大きくはありませんでしたが、無駄のない間取りで手狭な印象を受けないお住まいでした。
平家と聞くとご年配の方のイメージをもたれる方もおられると聞きますが、若いご夫婦からのご要望もいただいております。
ご興味が沸きましたらぜひお気軽にお問い合わせください!
もちろん平家以外も大歓迎です。
お問い合わせ・資料のご請求はこちらです。
シモアラの平家
●施工事例「安心して毎日暮らす家」
●施工事例「木に包まれた平屋の住まい」
○お客様の声「4世代が一緒に暮らす優しい住まい」
最後にお知らせです↓
こちらの会場では【完全予約制】にて見学会を開催いたします。
1時間にお1組限定でのご案内となりますので、ゆっくりご見学いただけます。
予約状況は随時掲載しておりますので、専用ページにてご確認ください。
皆さまのご予約をお待ちしております!
それではまた次回まで。
完成物件のご紹介[加賀市箱宮町]
そこで、当ブログで写真でご紹介するシリーズの3回目・「加賀市箱宮町」のお住まいをご紹介します。














